『YMYL』とは近年Googleが重要視している”お金や生活、健康など、人生や将来に大きく影響するジャンルを扱うWebページ”を評価する概念のことです。
誰でも簡単にWebサイトを立ち上げ運営できるようになった現代では、間違った情報や意図的に誰かを陥れようとするフェイクニュースなどがネット上に多く存在するようになってきました。
不運にも誤った情報を信じ、人生になにかしらの不都合が出る人を無くすためYMYLに該当するページはGoogleからより厳格に評価されるようになっています。
今回はそんなYMYLについて詳しく解説していきます。
Contents
YMYLとは
YMYLとは、『Your Money or Your Life』の頭文字をとった略語で、”あなた(読者)のお金や生活、健康や人生(将来のこと)に大きく影響を与えるジャンルを扱うWebページ”を評価する概念のことです。
検索エンジンが普及し、誰でも気軽にWebサイトを運営できるようになった現代では知りたい情報が簡単に手に入るようになったと同時に、
- 年月が経ち法律やルールが変更されたにも関わらず内容の変更が加えられないまま放置されている
- サイト運営者の知識不足により誤った情報を発信してしまっている
- 意図的に人を陥れるためにフェイクニュースを流している
など、真実ではない情報もネット上に多く溢れているため、そういった情報が普及することを防ぐためにGoogleが新たに品質評価ガイドラインに追加した評価基準の概念です。
YMYLに該当するジャンルのWebサイトは人の将来や人生に大きく影響を与える項目なので、その他のジャンルのWebサイトよりも厳しい評価基準が設けられており、SEO対策を行う際にはより高品質なコンテンツを作成する必要があります。
YMYLに該当するジャンルのWebサイト
YMYLに該当するジャンルは下記のようなものがあります。
| YMYLに該当するジャンル | 内容 |
|---|---|
| ショッピングや金銭の取引 | サイト上で商品の購入やサービス提供による金銭の取引があるページ |
| お金 | 税金や保険、年金やローン、投資などお金に関する情報を扱うページ |
| 医療 | 病気や薬、メンタルヘルスなど医療に関わるページ |
| 法律 | 結婚や社会福祉など法律に関わる情報が記載されたページ |
| 重要なニュースや公的情報 | 国際問題や災害、政治に関するニュースを扱うページ |
| その他生活に影響を与える可能性が高いページ | 宗教や就職など人生に影響を与える可能性が高いジャンルを取り扱うページ |
それぞれについて詳しく解説していきます。
ショッピングや金銭の取引を行うページ
ネット上で欲しい商品を探し、そのまま決済までできてしまう現代ではそれに伴いネット上にクレジットカード番号や自宅の住所、電話番号などを入力する機会も増えました。
その際にセキュリティが脆弱なサイトでは個人情報が流出し、ユーザーに不利益が起こる可能性も十分にありえます。
そのため、個人情報を扱うサイトはより安全性を求められ、『情報を入力しても大丈夫』という信頼を持ってもらえるサイトであるべきなので、ショッピングや金銭を取り扱うページはYMYLに含まれます。
お金に関する情報を扱うページ
税金や保険、年金など生きていく上で必要に必要なお金に関する情報や、株や不動産、仮想通貨などの投資関連、クレジットカードやローンなど金融に関する情報を取り扱うページが含まれます。
医療に関する情報を扱うページ
病気や怪我、精神的な疾患や薬、健康に関わる栄養やフィットネス、ダイエットなどの情報が該当します。
誤情報により、不適切治療を施したり間違った薬物の摂取を行うと取り返しがつかないこともあるため、医療機関や医師や管理栄養士など権威がある情報源からの情報が重要視されます。
法律に関する情報を扱うページ
離婚や親権問題、結婚、遺言や相続な、裁判など人生の中で必要な法律に関わる情報を扱うページが含まれます。
重要なニュースや公的情報
国際的なイベントや災害などのニュースや政治や公的機関に関する情報などが含まれます。
スポーツやエンタメ関連のニュースはYMYLには含まれません。
その他生活に影響を与える可能性が高いページ
宗教や国籍、性別などに関する人権問題や進学や就職などの選択によってその後の人生が大きく左右される可能性がある項目など、生活や将来に影響を及ぼしそうなジャンルはYMYLに分類されます。
YMYLと判断される基準
実はYMYLに分類される明確な基準はありません。
YMYLというのはあくまで概念であり、「Pubcon Pro Las Vegas 2019」でGoogleのGary Illyes氏が『YMYLをスコア化するアルゴリズムは存在しない』と明言していることからわかるように、そのページがYMYLに分類されているかどうか調べる術はありません。
そのため、順位が上がってないからと言って『このサイトはYMYLだ!』と断言することはできませんが、上記で紹介したような項目を取り扱うWebサイトで中々検索順位が上がらないという方はYMYLに該当しているという認識を持ったほうがいいでしょう。
現状順位が落ちていないという人も、今後のアップデートにより運営しているサイトがYMYLと認識されて順位変動が起こる可能性は十分あるため、上記のジャンルを取り扱っている方は注意しましょう。
YMYLとE-A-Tの関係
YMYLについて理解する時に必ずセットで覚えなければ行けない項目に『E-A-T』があります。
E-A-Tとは、そのサイトの
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
の頭文字をとった言葉で、Googleが定めている近年最も重要視されているサイトの評価基準の概念です。
『誰が作ったページなのか』『情報の内容は正しく、信憑性はあるのか』『この記事を書いた人はその業界、分野で権威のある(信頼できる)人や機関、法人なのか』といった部分がコンテンツの質を確認する上で重要な項目となっており、年々その重要度は増しています。
人生や将来に影響するような信憑性のあるコンテンツを上位表示することを目的としているYMYLと通じる部分があるため必ずセットで覚えるようにしましょう。
専門性(Expertise)
Webサイト内で扱っているテーマが何かについて特化しているサイトは専門性が高いサイトとして上位に表示されやすくなります。
例えば、『日常の出来事を雑多に記録したブログ』だとその日に起きたことによって記事のテーマがそれぞれぶれるので専門性が高いサイトとは見なされません。
逆に『東京の飲食店のレビューを紹介するブログ』というテーマだと”東京の飲食店に限定したレビュー”という専門性が生まれるのでその分野の検索に強くなる可能性が高いです。
権威性(Authoritativeness)
権威性はコンテンツの内容ではなく、”その情報を発信している人や団体”によってサイトを評価する指標です。
例えば病気や怪我の治し方についての記事を読んだときに、Googleのクローラーはその情報が真実かどうかを判別できません。
そこで内容ではなく、”執筆やサイト運営を行なっている人や団体、企業”で情報の信憑性を判断するため、医者や病院が運営しているページを『信頼できるサイト』として上位に表示します。
権威性は記事の内容やサイト構造の変更などで高めることは不可能で、サイト運営者自身が長年の積み重ねによってのみ向上します。
信頼性(Trustworthiness)
信頼性は情報やサイト、運営者がユーザーにとって信頼できるかどうかでサイトを評価します。
憶測で書いたであろう商品レビューよりも、実際に商品を購入して使用した人の体験談の方が上位に表示されやすくなり、場合によっては権威があるサイトよりもリアルな情報と判断されます。
例えまだ権威がなくても、身分をはっきりと明かすことが信頼性の向上に一役買ってくれるので自分の肩書きや資格、所属団体などを記載することは有効な対策と言えます。
それぞれの項目でわかるとおり、YMYLと内容的に重複しているような部分もあり、かなり密接な関係にあると言えます。
E-A-Tを意識してサイト運営を行うことでYMYLに分類されるジャンルでも検索上位が狙える可能性が高くなるため必ず意識しましょう。
YMYLのジャンルでSEO対策を行うポイント
YMYLに分類されるサイトでSEO対策を行う時のポイントは以下のつです。
誰が書いている(運営している)かを明確にする
必ず記事ひとつひとつに著者や監修者、サイトを運営している企業や団体の情報を記載するようにしましょう。
出どころがはっきりすることにより信頼性の向上が見込める他、記載する情報が権威のある人や団体だったときには権威性も相まって情報の信憑性が増します。
権威が無いからといって記載しないと”信頼できない情報”として判断される可能性もあるので必ず記載するようにしましょう
一次情報を掲載する
一次情報とは、自分の体験や経験から得たオリジナルの情報です。
二次情報(ニュースや本、Webサイトなどを読むことで他人から得た情報)しか載っていないサイトは独自性が低い上に、実体験ではないため信憑性が高いかどうかもわかりません。
そこで身を持って経験して得た情報をしっかりと記載することで文章に厚みが出る上に信憑性も増し、有益で信頼できるコンテンツと認識してもらえる可能性が高くなるので必ず意識しましょう。
専門家に執筆や監修をしてもらう
執筆者や運営会社にまだ権威がないと感じているときはその分野の専門家に執筆や監修を依頼するのも一つの手です。
専門家が監修した記事であれば、Googleにとっても読者にとっても”信頼できる情報”と思ってもらえることが増えるのでSEO対策にプラスの効果が生まれます。
その際に、執筆や監修を行なってくれた専門家の肩書きや地位、仕事などの情報をできるだけ詳しく記載することを忘れないようにしましょう。
カスタマーサービスを設ける
お問い合わせフォームやチャット機能などのカスタマーサービスを設けることも重要です。
記載している情報についてのお問い合わせができるようになっていると、記事を読んでいる人が安心することができますし、記載した情報が間違っていた際に読者から訂正の連絡がもらえることもあるので、誤りに気付くことができます。
YMYL領域以外の記載を避ける
Webサイトの専門性を高めるためにサイトのジャンルに関係ない記事を書くのは避けた方がいいです。
YMYL領域のサイトを運営する際はそのテーマに沿った題材にだけフォーカスして専門的にコンテンツを作ることを意識しましょう。
良質な被リンクを獲得する
運営しているWebサイトと同じジャンルで権威性や信頼性のあるサイトから被リンクがもらえると、
権威や信頼のあるサイトからリンクをもらえている=良い(信用できる)サイト
と認識してもらえる可能性が高くなります。
高品質なコンテンツを提供する
YMYL領域の記事はその他のジャンルに比べてコンテンツ評価の基準が厳しいです。
SEO対策を狙うのであれば日頃から高品質なコンテンツを作ることを意識することはもちろんですが、
- 情報に間違いがないか
- 一次情報が入っているか
- 見出しや画像を適切に使いわかりやすい文章になっているか
などを特に意識し、有益で正しい情報を届けられるようにしましょう。
Googleのアップデートによる順位変動
YMYLに該当する記事はGoogleのアップデートによる影響に大きな順位変動が起きやすいと言われています。
2017年2月に大手IT企業が運営する『ウェルク』というキュレーションメディアが、信憑性の低い医療や美容に関する情報を大量に公開していたことで、同様のサイトを取り締まるために行われたと言われている『ウェルクアップデート』を皮切りに、2017年4月に行われたフェイクニュースを取り締まるための『アウルアップデート』、同年12月に行われた医療や健康に関連する情報に対しての評価基準を変更した『健康アップデート』などGoogleがアルゴリズムを変更する度にYMYL領域のサイトは順位が大きく変動する傾向があります。
※上記アップデートの名前は全て通称です。
今後も検索エンジンから正しい情報を届けるためのアルゴリズムのアップデートが行われることが予想されるため、YMYL領域のWebサイトはもちろん、その他のジャンルのサイトでも確実な情報を届けられるように意識しましょう。
まとめ
正直なところ、YMYLに該当するWebサイトのSEO対策はその他のジャンルを扱うサイトに比べて非常に難しいです。
しかし、上位表示できる可能性は0%ではないので、サイトを運営する以上は信頼性の高いサイトになるように高品質なコンテンツを継続的に発信し、必要に応じて記事の監修や執筆は専門家に任せるなど、この記事を参考にできる対策は全て行いましょう。

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